切手に見る紙のお話(39)「紙の歳時記(新年【4】年賀状」

紙の歳時記(新年【4】)年賀状 
b0089323_11214443.jpg年賀状は、新年に送られる郵便葉書やカードを用いたあいさつ状のこと。明治維新後の1871年、郵便制度が確立したが年賀状は書状で送るところがほとんどであった。1873年に郵便はがきを発行するようになると、年始のあいさつを簡潔に安価で書き送れるということで葉書で年賀状を送る習慣が急速に広まった。日本で年賀状を元旦に配達する年賀郵便特別取扱が始まったのは1899年(明治32年)からで、普通官製はがきや私製はがきが使われていた。
 この風習は韓国、中国、台湾にもある。欧米などではクリスマス・カードで新年のあいさつも済ませてしまうので年賀状の文化はないが、アメリカ合衆国においては中国系市民向けに発行されることもある。アメリカの知人から頂いた年賀切手シートには十二支が描かれていた。
b0089323_1126046.jpg 最初の年賀切手は「昭和11年用年賀用切手」で、1935年12月1日に発行された。この年賀切手は額面1銭5厘、渡辺崋山の「富嶽図」に松竹梅の囲み枠を配したデザインであった。発行枚数は3億3,163万枚。年賀切手は翌1936年も発行されたが、1937年に日中戦争が勃発し、国内で虚礼廃止運動が起り年賀状の差出を控える傾向が顕著になり、年賀切手はこの年限りで発行中止となった。年賀切手が再度発行されるようになったのは戦後数年たった「昭和24年用年賀切手」(1948.12.13発行)である。
 お年玉付き年賀葉書は、昭和24(1949)年12月1日から昭和25年用の発売が開始され、これが「くじ付年賀葉書」の誕生となった。2円(青)のお年玉付年賀葉書3,000万枚と1円の寄附金をつけた3円(紅)のもの1億5,000万枚が発行された。因みに、平成25(2013)年用年賀はがきの発行枚数は、35億8,730万枚強である。パソコン・プリンターで印刷する人が増えたため官製のお年玉つきの年賀状に、平成14(2002)年用からインクジェット紙が登場している。25年用年賀はがきの全発行枚数に占めるその割合は約65%となっている。
 一方、平成25年用年賀切手4種の各発行枚数は、50円(2,300万枚)、80円(330万枚)、50円+3円(1,500万枚)、80円+3円(185万枚)、総計4,315万枚となっている。
 山本和氏は、「紙の歳時記」のなかで『年賀状の往来が盛んになったのは官製葉書が出来た明治からである。だが、はじめは葉書も貴重品、往復葉書をだして、一枚が年賀状、一枚を年玉にした人もいたのが明治の中頃であった』と書いている。紙の貴重さ、葉書の貴重さは時代の進展・発展で変わるが同位地にある気がする。

参考資料:web「逓信総合博物館」、web「日本郵政公社」、wikipedia「年賀状」「年賀はがき」、山本和著「紙の歳時記」
切手data:年賀切手「富士山」(渡辺崋山画・富嶽の図)1935.12.1発行、年賀はがき1950年用「松食いづる」青、赤の2種、1949.12.1発行
by god-door70 | 2013-03-09 16:52 | 切手に見る紙のお話(paper) | Comments(0)
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