紙の歳時記 夏【2-3】傘」
渡辺勝二郎さんが「百万塔」81号で「紙よもやま話 傘」の中で和傘と紙の関係を以下のように記している。
《雨傘用の紙はコウゾ100%の手漉紙が最良であり、寒漉がよいという。昔から美濃紙、森下紙、国柄紙、若狭紙、宇田紙、高野紙、西の内紙、七尾紙、筑後紙、土佐紙などが使われた。機械抄和紙も使われる。日傘用の紙は、典具帖や機械抄和紙を用いる。傘紙に必要な性質は①紙の厚さが平均していること②タテ、ヨコの強さが平均していて大きな差がないこと③染色したとき着色のよいこと④光沢のあること、などがあげられる。》
用いられている紙の種類が多く記載されているが、和傘の需要減により生産者の廃業などで減少し、現今では一部の紙種類に限定されていると思われる。
左*2016.2.26発行 浮世絵シリーズ第4集
《鳥居清長「大阪新町西槌屋琴鶴太夫 りきのふじの」》
右*2012.10.19 国際文通週間《伊藤深水「吹雪」》
参考資料:紙の博物館編集「百万塔」81号「紙よもやま話① 傘」渡辺勝二郎