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切手に見る紙のお話(7) ロゼッタストーンと神聖文字解読者シャンポリオン(1)

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ロゼッタストーンと神聖文字解読者シャンポリオン(1)
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<ロゼッタストーンの発見>
 1798年7月、フランス軍総司令官ナポレオン・ボナパルト(1769-1821)は、数万の精鋭を率いてエジプト侵略を開始し、イギリスの海外政略に対抗するためナイル河西部デルタ地区のロゼッタ村に要塞を築いた。切手に見る紙のお話(7) ロゼッタストーンと神聖文字解読者シャンポリオン(1)_b0089323_1732426.jpg 1799年8月、その工事現場から石碑の一部が兵士たちによって掘り出された。(右・図1)発見地の村名から「ロゼッタストーン」と命名され、古代エジプト史最大の発見となった。
ナポレオンのエジプト遠征には軍事上の成果はなかったが、この遠征に参加した学術調査団を構成する学者により収集された膨大な資料と情報はエジプト歴史研究の礎となった。
<ロゼッタストーンの形状と保管>
 石は黒色の花崗岩(御影石とも呼ばれる)で、高さ114cm、幅72cm、奥行き28cm、重さ762kg。(左・図2)切手に見る紙のお話(7) ロゼッタストーンと神聖文字解読者シャンポリオン(1)_b0089323_17323360.jpg  ロゼッタストーンは、フランス軍が地中海会戦でイギリス軍に敗れたためイギリスの戦利品となった。1802年以降はロンドンの大英博物館で保管され目玉展示物の一つとなっている。博物館を訪れた際には、ガラスケースに入った石は古代エジプト文字の解説パネルと共に展示され、沢山の人が回りを囲んで見学していた。
 石が発見されると同時に碑文のインクによる拓本が作られ、エジプトからヨーロッパに伝わった。イギリスに持ち去られた後、学術研究用に石膏模型や図版が作成され、19世紀初めには、ヨーロッパ中の古代エジプト文字解読に関心のある学者たちによって解読競争が始まった。

 (図1)ナポレオンのエジプト遠征。要塞工事に携わる兵士たちと学術調査団(フランス・
1972)
 (図2)ロゼッタスト-ンの形状を描く。発見200年記念(エジプト・1999)
by god-door70 | 2006-08-03 17:44 | 切手に見る紙のお話(paper) | Comments(0)
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