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切手に見る紙のお話(71)伝統的工芸品シリーズ 第5集【土佐和紙・高知県】

b0089323_1055364.jpg伝統的工芸品シリーズ 第5集 【土佐和紙・高知県】
切手発行日:2016(平成28)年11月4日(金)
日本郵政解説
「平安時代に書かれた「延喜式(えんぎしき)」に献上品として土佐和紙の名が出ています。そのことから、当時すでに和紙の産地が形成されていたと考えられます。その後も和紙作りは、恵まれた自然のもとに栄え、江戸時代には土佐七色紙(なないろがみ)が徳川幕府に献上されています。」
 「土佐和紙」については本ブログ「切手にみる紙のお話し(30) 年賀切手に描かれた郷土玩具と和紙(土佐和紙)」で記載したのでご覧ください。
by god-door70 | 2016-11-04 21:44 | 切手に見る紙のお話(paper) | Comments(0)

切手に見る紙のお話(70)日本の名著【3】茶の本」

日本の名著【3】茶の本」
b0089323_11475676.gif「NHK100分de名著]の番組でとりあげられた《茶の本》を読み日本の名著の3冊目にすることにした。「紙の歳時記【6】茶」でお茶についてブログアップしているので一部重複する記述になっている。
「茶の本」の著者岡倉天心(1863ー1913)は、文人であり思想家。東京美術学校(現東京藝術大学)の設立に大きく貢献し、日本美術院を創設。近代日本における美術史学研究の開拓者である。
「茶の本」は、日本文化の啓蒙書として1906年ニューヨークで英語で出版され世界中で読み継がれている。近代欧米の物質主義的文化と対比して、東洋の伝統精神文化の奥義を解こうという壮大な構想をもとに書かれた文明論だある。欧米社会にいかにして日本文化の精神構造そしてその奥深さを茶道を通じて伝えようと試みた書である。
b0089323_18174047.jpg 山崎武也著「岡倉天心《茶の本》を読む」では、全7章を「➀お茶は人類共通=美しく生きる知恵」「②お茶の歴史=深く長いお茶の歴史」「③道教と禅=《無常》と《虚》の教え」「➃茶室=茶室をつらぬく不完全性」「⑤芸術の鑑賞=美と心通わせる方法」「⑥花=花がそこにある意味」「⑦茶人=お茶と共に生きる」と読み替えて解説してくれている。「茶の本」を読んでいくと、日本文化の隅々にいたるまで「茶の思想」の深い影響が及んでいることがわかる。最終章では、千利休が最後まで自分の主義主張を貫いて心の乱れがなく未知の世界への旅立ちが書かれている。「美しく死ぬためには人生の一瞬一瞬を美しく生きておかなければならない」ことを示唆している。
b0089323_944638.jpg「茶の本」を通して茶道の奥深さを痛感した。気に止まった点を数か所独断と偏見で列挙してみよう。「世の中、少しでも美しいものを見出し、それを大切にしていこうとするのが茶道の基本的姿勢です。」 「お茶の木がツバキ科に属していることからお茶を《ツバキの女王》と名付けるのも悪くない。」 「なんというおいしい飲み物でしょう。薄い小さな葉は、澄んだ空に浮かぶうろこ雲のように漂い、エメラルド色の流れに乗った睡蓮のように揺らいでいます。」 「原始時代の男が恋人に対して、はじめて花を贈ったとき普通の動物の域を脱して高等動物になったのです。」 「茶人によると真に芸術の鑑賞ができる人は、芸術を人生に生かすことができる人だけである。」などなど。
b0089323_20491531.jpg 「茶室」について、天心は茶室を人生という砂漠の中の「オアシス」に例えている。茶室は芸術鑑賞のための場所であり、すべての調和が保たれ、しかも簡潔で自然なリズムの支配するところであるとしている。
茶室の切手として「明々庵」がある。明々庵は茶人として知られる松江藩七代藩主松平不昧公の好みによって建てられ茶室。茅葺の厚い入母屋に不昧公筆の「明々庵」の額を掲げ、茶室の床の間は、五枚半の杉柾の小巾板をそぎ合わせた奥行きの浅い床で、また二畳台目の席は中柱もなく炉も向切りといった軽快なものとなっている。

参考資料
 山崎武也著「岡倉天心《茶の本》を読む」PHP文庫
 ソーントン不破直子著「岡倉天心《茶の本》」社会思想社
 web「NHK100分de名著《茶の本》」「名著を読む「岡倉天心《茶の本》を読む」

*1952.11.3 文化人切手「岡倉天心」
*2001.5.31 LESOTH 等伯画「千利休」
*1991.10.8 日本茶100年記念「茶の花と茶器」
*2001.3.21 ふるさと切手「島根・茶室明々庵」
by god-door70 | 2016-07-27 14:42 | 切手に見る紙のお話(paper) | Comments(0)

切手に見る紙のお話(69)「世界の名著【4】種の起源」

「世界の名著【4】種の起源」
b0089323_20173396.jpg 池上彰著「世界を変えた10冊の本」にある「コーラン」「聖書」「資本論」を選んできた。最後にダーウィンの「種の起源」を選んで次のステップに進むことにした。
b0089323_20303018.jpg 「種の起源」は、チャールズ・ダーウィンにより1859年(安政6年)に出版された進化論についての著作である。 正式な書名は「自然淘汰による種の起原,すなわち生存闘争において有利である種族が保存されることについて」。彼は自然選択によって、生物は常に環境に適応するように変化し、種が分岐して多様な種が生じる。この過程を生存競争、適者生存などによって説明した。ダーウィンは進化の概念を多くの観察例や実験による傍証などの実証的成果によって、進化論を仮説の段階から理論にまで高めたのである。
b0089323_22571648.jpgb0089323_2331141.jpg ダーウィンは、イギリス海軍の測量船ビーグル号の世界一周航海に参加し、途中立ち寄ったガラパゴス諸島(エクアドル)で、ゾウガメの甲羅の形が島ごとに異なることなどを発見し、進化論の着想を得た。 本書によってダーウィンは、進化は下等なものから高等なものへといった直線的な変化ではなく、共通の祖先から系統が枝分かれして多様な生物を生む歴史であるとの考えを示し、さまざまな証拠をあげて進化が事実であることを論証した。しかし、キリスト教が社会全体に絶対的な影響を持ち、生物は神が創造したと信じられていた時代のヨーロッパにあって、「自然淘汰」による進化が多様な種を生んだとする学説は、宗教的、哲学的論争も引き起こした。ダーウィンの進化論は広く社会思想にまで大きな影響を与え、本書は世界の主な言語に翻訳されて読まれ続けている。
 ガラパゴス諸島は、大小19の島と周辺の岩礁からなる火山群島で、1978年に世界遺産(自然遺産)に登録されている。“ガラパゴス”は、スペイン語で“ゾウガメ”を意味し、ゾウガメをはじめとする生物たちの独自の生態系が大きな自然遺産。
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web 「種の起源コトバンク」「Wikipedia《種の起源》《ガラバゴス島》」
by god-door70 | 2016-07-18 11:29 | 切手に見る紙のお話(paper) | Comments(0)

切手に見る紙のお話(68)「紙の歳時記 夏【7】風鈴/短冊」

「紙の歳時記 秋【2】風鈴/短冊」
b0089323_1231593.jpg  風鈴は、小さい鐸のような形をして、中に舌の下がっている金属製、・陶器製、ガラス製などの鈴。吊るしておくと風に吹かれて、舌の先の錘が内側を打って音が発する。錘の下に短冊など軽い物を結び付けて風の力を利用する。軒先につるして涼を音で感じることが出来る。日本では夏の風物詩の一つとなっている。
岩手県の伝統工芸品南部鉄器でできた鉄製南部風鈴、富山県の伝統産業高岡銅器の真鍮製高岡風鈴、神奈川県の伝統工芸小田原鋳物の砂張製の小田原風鈴がある。また兵庫県姫路の伝統工芸である明珍火箸四本の火箸を吊るした火箸風鈴もある。

参考資料 web 「Wikipedia 《風鈴》」「明珍火箸」

*1984.6.15 季節見舞はがき「風鈴」
by god-door70 | 2016-07-15 19:07 | 切手に見る紙のお話(paper) | Comments(0)

切手に見る紙のお話(67)「世界の名著【3】資本論」

「世界の名著【3】資本論」
b0089323_1052295.jpg 池上彰著「世界を変えた10冊の本」のうちの1冊「資本論」を採り上げてみた。
 資本論は、カール・マルクスによって著述された,マルクス経済学最大の古典。資本主義を批判する「経済学批判」の続編として刊行された。社会主義に科学的な基礎を与えたとされる著作。近代資本主義社会の経済的運動法則の解明を究極的目的とし、価値法則・余剰価値の生産、流通と分配の仕組みを研究して、資本主義社会の経済的な構造および関連法則を明らかにした。その成果にもとづいて資本家・賃労働者・土地所有者の三大階級の敵対関係を解明し、社会主義革命の必然性を証明しようとした。マルクス経済学およびマルクス・レーニン主義の基本文献となった。
b0089323_10541364.jpg 資本論第1巻(1867)は、マルクスが自ら手掛け、第2巻(1885)および第3巻(1894)は、盟友フリードリヒ・エンゲルスによって編纂された。第4巻(1905-10)は、エンゲルスの死後にカウツキーによって「余剰価値学説史」として編纂された。
日本最初の語訳本は1924年に高畠素之訳で刊行されたのが最初。日本では現在までに累計で400万部が売れたと言われている。
マルクスは、唯物史観によって、資本主義社会が必然的に社会主義へ転化することを明らかにするため、その半生を費やして資本主義経済の分析を行った。マルクスはまず、資本主義生産の特徴である商品の分析を行い、資本家が獲得する利潤は、労働者が生み出した剰余価値であり、ゆえに資本家は搾取階級であると説く。労働者は貧困化し、階級闘争が高まり、資本主義は必然的に崩壊するとしている。
b0089323_10571469.jpg カール・マルクスによって著述された,マルクス経済学最大の古典。資本主義を批判する「経済学批判」の続編として刊行された。社会主義に科学的な基礎を与えたとされる著作。近代資本主義社会の経済的運動法則の解明を究極的目的とし、価値法則・余剰価値の生産、流通と分配の仕組みを研究して、資本主義社会の経済的な構造および関連法則を明らかにした。その成果にもとづいて資本家・賃労働者・土地所有者の三大階級の敵対関係を解明し、社会主義革命の必然性を証明しようとした。マルクス経済学およびマルクス・レーニン主義の基本文献となった。b0089323_1125334.jpg
 資本論第1巻(1867)は、マルクスが自ら手掛け、第2巻(1885)および第3巻(1894)は、盟友フリードリヒ・エンゲルスによって編纂された。第4巻(1905-10)は、エンゲルスの死後にカウツキーによって「余剰価値学説史」として編纂された。
 日本最初の語訳本は1924年に高畠素之訳で刊行されたのが最初。日本では現在までに累計で400万部が売れたと言われている。
マルクスは、唯物史観によって、資本主義社会が必然的に社会主義へ転化することを明らかにするため、その半生を費やして資本主義経済の分析を行った。マルクスはまず、資本主義生産の特徴である商b0089323_11315375.jpg品の分析を行い、資本家が獲得する利潤は、労働者が生み出した剰余価値であり、ゆえに資本家は搾取階級であると説く。労働者は貧困化し、階級闘争が高まり、資本主義は必然的に崩壊するとしている。
2013年に「共産党宣言」とともに「資本論初版第1巻」がユネスコ記憶遺産に登録された。
b0089323_1131737.jpg 『共産党宣言』は、1848年にカール・マルクスとフリードリヒ・エンゲルスによって書かれロンドンで刊行さえた社会主義運動の出発点となった書籍。マルクス主義者による共産主義の目的と見解を明らかにした最初の綱領的文書とされている。共産主義者同盟の綱領として,マルクスとエンゲルスが起草した宣言。これまでのすべての社会の歴史は階級闘争の歴史であり,資本主義社会は自らが産み出した労働者階級により打倒されるとし,科学的社会主義の原理と階級闘争におけるプロレタリアートの役割などを述べ、労働者の国際的団結を呼びかけている。
 日本に於ける最初の翻訳は、1904年11月13日発行の週刊『平民新聞』第53号に幸徳秋水と堺利彦が共訳して掲載したものである。この号はただちに官憲の発売禁止措置をうけた。全文訳本は発禁処分を受けなかったが、大逆事件以後、太平洋戦争が終わるまでの数十年間、非合法のままの扱いをうけた。
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参考資料 
 池上彰「世界を変えた10冊の本」文芸春秋
 web 「wikipedia《資本論》《共産党宣言》」
 平凡社「大百科事典」
 
by god-door70 | 2016-07-12 18:06 | 切手に見る紙のお話(paper) | Comments(0)

切手に見る紙のお話(66)「世界の名著【2】コーラン」

「世界の名著【2】コーラン」
b0089323_20222543.jpg 2016.7.1バングラデシュの飲食店襲撃事件で日本人7人を含む20人の尊い命が失われた。報道によると、中東過激派組織による憎むべきテロの仕業だ。襲撃者が人質にイスラム教の聖典コーランを信仰する宗教をチェックするために暗唱させ、できない者を殺害したという。コーランが悪用されたのである。宗教の恐ろしさだ。
  コーランは、イスラム教の根本聖典。ムハンマドが610年から亡くなる632年までの間に天使を通じて神から受けた啓示をまとめたもの。114章からなり、約8万語のアラビア語により散文および韻文で構成されている。もともと、声に出して読まれるものを意味しており、アラビア語の韻律の美しさが秀でている。完成されたのは第3代指導者の時代で650年頃と言われている。キリスト教でいうと「聖書」にあたる存在であるが、福音書のように著者がいるわけではなく、あくまで神の啓示をそのまままとめたものとされる。根本的思想から、日常生活での禁止事項、推奨事項などが記されている。
b0089323_2235370.jpg イスラム教のイスラムとは「帰依する」という意味で、神にすべてを委ねること。コーランは神の言葉であるので神に帰依するということは具体的にはコーランの言葉に従うことになる。人間の判断の基準としてイスラム教徒の思考や行動を規制することになる。
 個人的には、「聖戦(ジハード)」「ラマダン」「豚肉ダメ」「酒ダメ」「女性ベール」「多妻」「スンニ派だ、シーハ派だとか」などなど宗教上の事項だから理解出来ない事項が多すぎる。しかし、これが宗教なのだろう。信教は自由な権利。しかし、聖戦、テロは論外だ。コーランを世界の名著に選んだが、悪魔の声になってしまう。勘弁してくれの心境である。

参考資料
 池上彰「世界を変えた10冊の本」文芸春秋
 web 「wikipedia《コーラン》《イスラム教》」
by god-door70 | 2016-07-07 22:05 | 切手に見る紙のお話(paper) | Comments(0)

切手に見る紙のお話(65)「紙の歳時記 秋【1】七夕/短冊」

「紙の歳時記 秋【1】七夕/短冊」
b0089323_18004.png 七夕は、五節句のひとつ。天の川の両岸にある牽牛星と織姫星とが年に一度相会する7月7日の夜、星を祭る年中行事。奈良時代から行われ、江戸時代には民間に広がった。その風景を名所江戸百景として歌川広重が《市中繁栄七夕祭》を描いている。
b0089323_17401883.jpg 七夕飾りは、庭前に供物を置き、笹竹を立て願い事や詩歌などを書いた色紙、短冊や折紙、色紙の吹き流しなどをつるし飾りつける。6月になると短冊用の紙が文具店にならぶ。昔懐かしい短冊は鳩居堂、伊東屋、小津商店などなどの伝統ある紙店に。京都の冷泉家では、七夕の日に庭のカジの葉をとり、歌をつくり、茶会が催されている。昔から七夕の祭りに、歌などをカジの葉に書いて手向ける風習があった。
 現代の「七夕祭り」は、神事との関わりも薄れ、もっぱら、観光客や地元商店街等への集客を目当てとしたものとなっている。「仙台七夕まつり」や「平塚七夕まつり」が有名で、仙台では人出が200万人を超えるという。
b0089323_17443393.jpg  仙台七夕は、古くは藩祖伊達政宗公の時代から続く伝統行事として受け継がれ、今日では日本古来の星祭りの優雅さと飾りの豪華絢爛さを併せ持つお祭りとして全国的に有名。仙台七夕まつりは、毎年8月6日から8日に開催されている。
仙台七夕では、"7つ飾り"と呼ばれる、短冊(学問)、紙衣(病災)、折鶴(長寿)、巾着(富貴)、投網(豊漁)、くずかご(清潔と倹約)、吹き流し(織姫の織り糸)が願いをこめて飾られる。この内、吹き流しが現在の飾りつけの中心。仙台七夕の特徴は、飾りが和紙ないしは紙で作られ、他の七夕のようにビニール製の飾りはほとんど見られないことだ。
b0089323_17452383.jpg 平塚の七夕まつりは、戦後商業振興策として始められたもので、10mを超える大型飾りもあり、人気の動物、キャラクターなどの流行を取り入れた飾りもあり、七夕飾りの豪華さに特徴ある。パレード等各種催物がくりひろげられ日本を代表する夏の風物詩のひとつとなっている。

参考資料 
 紙の博物館「百万塔」127号 「紙百態《その1》」
 web 「仙台七夕まつりHP」「湘南ひらつか七夕まつりHP」「Wikpedia《仙台七夕》」

*2011.8.1 名所江戸百景「歌川広重画《市中繁栄七夕祭》
*1962~63 年中行事シリーズ「たなばた」
*2000.6.2 ふるさと切手「神奈川平塚《竹飾り》《親子お竹飾り》
*2008.8.1 ふるさと切手「ふるさとの祭・第1集《仙台七夕まつり》」
by god-door70 | 2016-07-04 22:40 | 切手に見る紙のお話(paper) | Comments(0)

切手に見る紙のお話(64)「紙の歳時記 夏【6】茶」

「紙の歳時記 夏【6】茶」
 b0089323_20501363.jpg 茶摘みは八十八夜の頃が盛りである。かっては和紙を張り合せ柿渋を塗って補強した茶袋があったが、今はポリエチレンフィルムやアルミ箔を貼り合わせた紙袋である。
茶道において紙に関係があるのは「懐紙(かいし)」と「風炉先屏風(ふろさきびょうぶ)」の茶道具。懐紙の関係は深い。
 懐紙は、懐に入れて携帯するための小ぶりで二つ折りの和紙のことである。茶道の席や会席料理など改まった席などで使用される紙。亭主側が用意するのは稀で客側が持参し使うためものである。茶会の場において使用するというときになって、懐から取り出して使用する。
b0089323_20534115.jpg 茶席において様々に使われるが、主な用途をみると以下の通り。
受ける《出される菓子を取り分ける際に、客側が手元の皿代わりに用いる。使った箸を拭う。》
拭う《薄茶では飲み終わった後に茶碗の飲み口を指でぬぐい、その指を懐の懐紙で清める。濃茶の場合は、茶碗の飲み口を直接懐紙で、または小茶巾と呼ばれる専用の布や紙でぬぐう。》
包む《菓子を食べきれない時は、懐紙に包んで懐や袂にしまう。》
懐紙のサイズは男性用が約18×21 cm程度、女性用が約15×18 cmのもの。色は白が多い。
b0089323_8273185.jpg 風炉先屏風は、広間の点前の際に道具畳の向こう側に置く2つ折りの屏風のこと。これを置くことによって、道具を引き立てる意味あいがある。高さ2尺4寸、片幅3尺5分、五分角、鳥の子白張、蝋色縁のものを基本とし、これを利休形と呼ぶが、実際には多種多様なものがある。なお幅に関しては、利休形は京間の畳に合うように作られており、中京間、江戸間の場合は、その幅にあわせて作られる。
 切手「日本茶800年記念」は、平成27年度に宇治市など関連地域が「日本茶の歴史散歩」として日本遺産に指定されたことを記念して発行された。この地域は、約800年間にわたり最高級の多種多様なお茶を作り続け、日本の特徴的文化である茶道など、我が国の喫茶文化の展開を生産、製茶面からリードし、発展をとげてきた歴史が残っている唯一の場所である。お茶が中国から日本に伝えられて以降、京都を始めとして日本の茶生産地では、お茶の生産技術を向上させ、茶の湯に使用される「抹茶」や「煎茶」、高級茶として世界的に広く知られる「玉露」などを生み出した。
b0089323_20495715.jpg 茶の3大生産地は、「静岡/静岡茶」「鹿児島/かごしま茶」「三重/伊勢茶」。宇治茶(奈良)、八女(福岡)茶狭山茶(埼玉)などの銘茶もある。
  静岡は、 明治維新のころ、徳川藩士などによる牧之原台地の開墾により、日本一のお茶生産地となり、現在では全国の約4割を生産する大産地。 川根・天竜・本山などの山間地は、気象条件に恵まれた高品質のお茶の産地として有名である。松尾芭蕉の句に「駿河路や花たちばなも茶のにほい」がある。
b0089323_20491531.jpg 「日本最古の茶園」 京都高山寺は日本ではじめて茶が作られた場所として知られる。禅師が宋から持ち帰った茶の実を山内で植え育てた。「日本最古之茶園」碑が立つ現在の茶園は、もと高山寺の中心的僧房があった場所と考えられている。現在も、5月中旬に茶摘みが行われる。 茶室の切手として「明々庵」がある。明々庵は茶人として知られる松江藩七代藩主松平不昧公の好みによって建てられ茶室。茅葺の厚い入母屋に不昧公筆の「明々庵」の額を掲げ、茶室の床の間は、五枚半の杉柾の小巾板をそぎ合わせた奥行きの浅い床で、また二畳台目の席は中柱もなく炉も向切りといった軽快なものとなっている。
b0089323_2048203.jpg 菓子いえば和菓子ならお茶が付きものだ。1984年東京・明治神宮外苑絵画館前で開催された第27回全国菓子大博覧会を見物してサンプル菓子を食べ歩いた記憶がある。甘党としては目が離せない。全国菓子大博覧会は、和菓子を中心に、洋菓子・スナック菓子等も含めた日本最大の菓子業界の展示会である。全国菓子工業組合連合会が主催している。1911年(明治44年)、東京都港区赤坂/溜池で、第1回「帝国菓子飴大品評会」が行われたのが始まり。開催は不定期。「和菓子のオリンピック」と呼ばれている。

参考資料 web 「お茶百科」「日本茶800年」「明々庵HP」「高山寺HP」
        「wikipedia《全国菓子大博覧会》」

*1948~49 産業図案切手「茶摘み」
*1991.10.8 日本茶800年記念「茶の花と茶器」
*1990.5.2  ふるさと切手「静岡・八十八夜」
*1997.4.25 ふるさと切手「静岡・茶摘み」
*2001.3.21 ふるさと切手「島根・茶室明々庵」
*1984.2.24 第20回全国菓子大博覧会記念「和菓子と茶筅」
by god-door70 | 2016-07-02 22:27 | 切手に見る紙のお話(paper) | Comments(0)

切手に見る紙のお話(63)「世界の名著【1】聖書」

「世界の名著【1】聖書」
 b0089323_17323296.jpg 池上彰著「世界を変えた10冊の本」を読むと宗教書2冊「コーラン」と「聖書」が選ばれていた。世界で最も読まれた本は、「聖書」だと。所有している聖書関連の切手の中から数点選んで聖書について考察した。
 世界の3分の1を占める約23億人のキリスト教信者の聖典だから当然だ。聖典には「旧約聖書(古い契約)」と「新約聖書(新しい契約)」がある。旧約聖書は、ユダヤ教徒の聖典で、キリスト教徒がイエスの言行を福音書に編纂したキリスト教徒独自の聖典が新約聖書である。「旧約聖書」はユダヤ教徒、キリスト教徒双方にとっての聖典である。
 旧約聖書は、全39巻で、「創世記」「文学書」「歴史書」「預言書」からなる膨大なもの。新約聖書は、全27巻で「福音書」「使途言行録」「パウロの手紙」「ヨハネの黙示録」「公開書簡」からなる。信者でない者にとっては「処女懐妊」「イエスの復活」「イエスの奇蹟」などは非常識、空想の世界でしかないが、宗教批判はまずいのだろう。
 ローマ帝国の滅亡により国教であったキリスト教は分裂し「カトリック」と「ギリシャ正教」が成立。「ギリシャ正教」はロシアに伝播しロシア正教になる。更に宗教改革を経てプロテスタントが分離していく。
b0089323_211426.jpg カトリックは、「聖書」を聖職者しか読んではいけないものとしていたため一般信者にとっては遠い存在であった。しかし様相は一変した。15世紀にグーテンベルグが活版印刷技術を発明され、16世紀にマルチン・ルターがドイツ語訳聖書を完成し世に出すことによって一般庶民でも聖書を手にとって読むことができるようになった。原典であるヘブライ語から直接近代語聖書翻訳書「ルター訳聖書」(完訳1554)であった。現在、聖書翻訳は活発に行われ、聖書は世界約2,500の言語に翻訳されている。そして世界一発行されている本としてギネスの記録に登録されている。日本では「口語訳聖書」が日本聖書協会の活動によって1955年に完訳されている。
b0089323_814866.jpg グーテンベルク聖書は15世紀にドイツのヨハネス・グーテンベルクが活版印刷技術を用いて印刷した世界初の印刷聖書(1455年)。ほとんどのページが42行の行組みであることから「四十二行聖書」と呼ばれている。羊皮紙に印刷されたものと紙に印刷されたものがあり、180部が印刷されたと考えられているが、現時点で存在が確認されているのは不完全なものも含めて48部である。日本では慶應義塾大学図書館で紙に印刷された上巻1冊を所蔵しており、アジアで唯一グーテンベルク聖書を所蔵している図書館として知られていう。。この印刷に用いられた活字は「四十二行聖書」の名称から「B42」と呼ばれている。行数から「三十六行聖書」と呼ばれる聖書の方は、わずか15部しか現存していない世界の貴重な本である。
 哲学者国分功一郎氏は日経新聞「アートで読む哲学史」の中で、《グーテンベルク聖書のゴシック書体は歴史的傑作で、人は読み始める前から心を打たれたという。このすぐれた情報メディアはもともと工業製品ではなく、芸術作品としてつくられていたのである。》と記している。
 
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参考資料 池上彰「世界を変えた10冊の本」文芸春秋
     2014.7.10 日経新聞朝刊 国分功一郎 「アートで読む哲学史」
     平凡社「大百科事典」
     web 「日本聖書協会HP」「四十二行聖書」「Wikipedia《聖書》」
        「慶應義塾大学図書館」

*「Dysplaying the Bible to the Peple」
*1979.July12 [Germany]450 anniversary of Martin Luther's Catechism "Moses
receiving tablets of Law by Cranack"
*1954.May 5 [Germany]500th anniversary of the pubrication of Gutenbrg's 42-line Bible Design
*1977.May8 [Nederland]"Delft Bible (Old Testment),oldest Book printed in Dutch 500th anniversary"
*1963.May2 400h anniversary of the Heidelberg Catechism,containing the doctrine of the reformed church
*1980.July10 Moravian Brethren's book o Daily Bible Readings,250th edition「Title page 1731」
by god-door70 | 2016-06-28 16:45 | 切手に見る紙のお話(paper) | Comments(0)

切手に見る紙のお話(62)「紙の歳時記 夏【5-3】提灯」

「紙の歳時記 夏【5-3】提灯」
b0089323_1844112.jpg 大型提灯で最も有名なのは、東京・浅草寺の雷門大提灯ではないだろうか。訪日外国人にとっては日本のシンボルのようなものだ。代わる代わるに大提灯の前に立ちカメラやスマホを操る。そして仲見世を通り日本の土産品を物色する。爆買いと称されている中国人グループの大声が響く昨今である。
 広辞苑の「ちょうちん」をみると、提灯にまつわるネガティブな言葉がある。【提灯持ち=他人の手先に使われ、他人のためにその長所などを吹聴すること】【提灯で餅をつく=思うようにならないことのたとえ】【提灯に釣鐘=物事のつり合いが取れない】【提灯程の火が降る=貧乏のひどいさまのたとえ】。ふむふむ。
b0089323_8521973.jpg ふぐ提灯は、下関を代表する民芸品。 まずふぐの皮を残して身をきれいに抜き、 もみガラを詰めながら皮をふくらませ形を整えて 天干して乾燥させる。もみガラを抜き完成という工程で制作される。 一つ一つみな表情や形が違ってるので土産品選択での楽しみのひとつだろう。

参考資料 岩波書店「広辞苑」 
     web 「ふぐ問屋下関 さかいHP」
*1996.8.8 ふるさと切手・東京 「浅草寺雷門」
*1989.11.1 ふるさと切手・山口 「ふぐ提灯」

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by god-door70 | 2016-06-25 18:46 | 切手に見る紙のお話(paper) | Comments(0)