切手にみる紙のお話し(30) 年賀切手に描かれた郷土玩具と和紙Ⅰ(土佐和紙)</

年賀切手に描かれた郷土玩具と和紙Ⅰ(土佐和紙)
b0089323_10504658.jpg 平成24年年賀80円郵便切手のデザインは【土佐和紙雁皮張り子(とさわしがんぴはりこ)「龍(たつ)】である。日本郵便の広報は、『描かれている「龍」の製作には土佐和紙の中でも最高品質の一つと言われる雁皮紙(がんぴし)が使用されている。原材料には張り子の中には、おめでたいといわれる無患子(むくろじ)の実が入っており、振るとカラカラと素朴な音がします。』と解説している。
 土佐和紙は高知県の各地で生産されている和紙の総称で、古くから越前、美濃と並んで三大産地の一つとして全国的に知られていた。1976年(昭和51年)土佐和紙は伝統的工芸品に指定され、土佐典具帖用紙や土佐清帳紙 は国の無形文化財、手漉き和紙用具製作は文化財保護技術に選定されている。全国的に手すき業は衰退しまったが、土佐和紙は種類の豊富さと品質の良さで今なお人気が高い。
b0089323_1621050.jpg 高知県の紙は、諸記録から約1000年前には製造されていたと推定されている。平安朝時代の歌人で「土佐日記」を綴った紀貫之は土佐の国司として製紙業を奨励したことにより、土佐の主要な特産品の生みの親の一人と言えよう。和紙製法の考案者・改良者、良質な石灰や水、優れた製紙原料に恵まれたことにより高知県は伝統ある地場産業として土佐市・伊野町をはじめ、各地に産地が形成され発展してきた。しかし、現在では手漉き専業者は数少なくなってしまっている。
 雁皮紙(がんぴし)は、雁皮を原料として作られる和紙である。雁皮は日当たりのよい浅山に生えるジンチョウゲ科の落葉低木である。雁皮の成育は遅く栽培が難しいため、雁皮紙には野生のものの樹皮を採集して用いられる。繊維は細く短いので緻密で緊密な紙となり、紙肌は滑らかで、紙はその美しさと風格から紙の王と評される事もある。日本の羊皮紙と呼ばれたこともあるようだ。しかし、厚い雁皮紙は漉きにくく、水分を多量に吸収すると収縮して、紙面に小じわを生じる特性があるために太字用としては不適とされ、かな料紙・写経用紙・手紙などの細字用として使われるのが一般的である。平安時代には、厚さによって厚様(葉)・中様・薄様と言われ、やや厚目の雁皮紙を鳥の子紙と言って、越前産が最上とされた。雁皮は謄写版原紙用紙の原料として大量に使用されていたが、複写機が普及して以来急激にその使用量が減少した。ちなみに、鳥の子紙は雁皮と楮を混ぜたものである。【参考資料:いの町紙の博物館資料、wikipedia、平凡社大百科事典】
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by god-door70 | 2012-02-13 14:33 | 切手に見る紙のお話(paper) | Comments(0)
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