切手に見る紙のお話(37)「紙の歳時記(新年【2】) 宝船」

紙の歳時記(新年【2】) 宝船
b0089323_1032772.jpg 正月2日に枕の下に宝船を描いた紙絵を敷いて寝ると吉夢と共に幸運がやってくる、という正月の縁起物の一つ。新年をあらわす季語である。
 この風習は節分に上流階級で愛用され、描かれる絵にも紙にも格式があった。庶民に紙が普及してくると紙の殆どは半紙が用いられるようになった。
 帆掛け船には米俵や宝物を乗せ七福神が乗り込み、「なかきよのとをのねふりのみなめさめなみのりふねのをとのよきかな」(永き世の 遠の眠りの みな目ざめ 波乗り船の 音のよきかな)という回文(かいぶん)歌が書かれる。その帆には、人の悪夢を食うという「獏」の字が書かれることもある。b0089323_1041413.jpg
 悪い夢を見た時は、翌朝、宝船の絵を川に流して縁起直しをする 
 幼少の頃大晦日だか元旦だか忘れたが、願い事を書いて枕の下に敷いて寝た記憶がある。小学校低学年の頃であろうか。吉夢どころか次第に本土空爆が始まり、毎晩のように防空濠に逃げ込むという国家焦土の悲惨な現実に直面することとなってしまった。

参考資料:平凡社大百科事典、山本和著「紙の歳時記」、wikipedia
切手data::昭和47(1972)年用年賀切手「宝船」2種(7円・1971.12.10発行、10円・1972.1.11発行)。お年玉小型シート(10円3枚、1972.1.20発行)
by god-door70 | 2013-02-25 09:55 | 切手に見る紙のお話(paper) | Comments(0)
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