切手に見る紙のお話(44)「紙の歳時記 夏【2-2】傘」

「紙の歳時記 夏【2-2】傘:《淀江傘(鳥取》」b0089323_16192470.jpg
和傘の産地は(43)で書いたとおり全国でも岐阜など残り少なくなっている。島根県米子市淀江町「淀江傘伝承の会」が昔ながらの技法で和傘を作り続けている。
淀江傘の由来は、文政4年(1821)に倉吉屋周蔵が専業の傘屋を始めて広まったという。最盛期には傘屋80軒、年間50万本の生産量を誇ったが、昭和59年には全ての傘製造者が廃業してしまった。
淀江傘工程は、骨作り→紙張り→浜干し→糸飾りである。骨は、一本の竹を48~50本に割って手で削るという職人技である。淀江傘の張り紙は、鳥取県青谷の因州和紙で厚めの楮紙。色紙には青谷伝統工芸の染紙を使う。浜干しは、淀江の砂浜での天日と白い砂の照り返しによる。淀江傘の糸飾りは、桔梗の花が開いたように工夫された「桔梗飾」が多色な糸で施される。
切手に描かれている傘は「祭り用の踊り傘」で、同心円を描く色彩色鮮やかな赤や青で彩られたもので、親骨の先に鈴が付けてあり振るとしゃんしゃんと音がする。この傘は鳥取市の夏祭り「しゃんしゃん傘踊り」で用いられる。

資料
公益法人紙の博物館「百万塔」№138「淀江傘の今」
web 「和傘伝承館」

*1996.8.16 鳥取(中国15) 「鳥取しゃんしゃん傘踊り」
by god-door70 | 2016-04-21 15:57 | 切手に見る紙のお話(paper) | Comments(0)
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