切手に見る紙のお話(46) 紙アラカルト(3-1) 投票用紙

 紙アラカルト(3-1) 投票用紙

b0089323_18433090.jpgb0089323_16071090.jpg 櫻井よしこ著「何があっても大丈夫」を読んでいたら、《カトリック教会の最高指導者シン枢密卿が国民に「お金も物も神からの贈り物です。必要な人は受け取りなさい。しかし、投票にあったては、自分の信じずる人にのみ、票を入れなさい。」この現実感覚に私は舌を巻いた。》とある。投票用紙について考察した。

 投票用紙と紙について歴史と現在をみると、「明治33(1900)107日、内務省令第29号により投票用紙は程村紙又は、西の内紙と規定された。この規定は大正15(1926)年の内務省令で打切られた」との『近代における烏山和紙の盛衰』に記載がある。
 程村紙は、栃木県那須烏山市で作られる楮紙。烏山和紙を代表する和紙で、「厚紙の至宝」と評されるほどに厚手で丈夫なのが特徴。襖や障子等の建築部材のほか、投票用紙、皇居用の懐紙、烏山藩藩札などの重要書類で用いられ、現在は卒業証書用紙が主力である。1970(昭和45)には烏山町無形文化財に指定された。現在生産者は極めて少ない。

 西の内紙は、質のやや粗い非常に丈夫は楮紙で茨城県常盤大宮市西野内で生産し、明治時代選挙の投票用紙や印鑑証明用紙に指定され全国的に有名になった。楮皮の繊維だけで漉かれていて強靭で保存に適した紙であるが需要減少で現在無形文化財に指定されて民芸品や生活用品で珍重されている。

 程村紙、西の内紙は福井県越前市の越前奉書、岐阜県美濃市の美濃の直紙、山口県岩国市の岩国半紙と共に、日本の代表的な和紙とされている。

b0089323_18434536.jpg 現在の投票用紙についてみるとポリプロピレンを主原料とし耐久性やプラスチックや天然紙の長所を生かして開発された合成紙のもの(ユポ®投票用紙)が国および地方選挙において使われている。普通の紙を使っていた時代は、選挙の開票作業は極めて時間がかかり大都市では徹夜作業もされていた。ユポ®投票用紙は、箱の中で「パッ」と開き、投票箱出した時たたまれたままの一枚一枚開く作業が無くなり開票スピードが大幅に短縮した。即日開票の実現をもたらした。合成紙である㈱ムサシの「テラック投票用紙」は、2012年の衆議院選挙で全47都道府県で採用された。

 今年の参議院選挙から18歳以上が有権者となる。前回衆議院選挙では20歳代の投票率が20%という低さであったので、十代の有権者の投票率がどの程度になるのか興味が 

                           ある。


参考資料 
『近代における烏山和紙の盛衰』(栃木県立烏山女子高等学校社会部編 1982

Wikipedia 「程村紙」「西の内紙」「ユポ紙」

web  「ユポ・コーポレーション」「株式会社ムサシ」「即日開票を実現した男 新田勝男」

切手情報

左上*ドミニカ 2000年 大統領選挙

 *イラン 1996-7 イラン革命17

左下*1996.4.10 婦人参政権行使50周年記念


by god-door70 | 2016-05-04 07:35 | 切手に見る紙のお話(paper) | Comments(0)
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