切手に見る紙のお話(52)紙の歳時記(新年【7-2】扇)

紙の歳時記 (新年【7-2】扇)
 舞扇は、日本舞踊に用いられる扇子である。普通の扇と材質は同じで、10本ある骨には竹や木、扇面には紙が用いられる。しかし舞踊では扇を投げたり、指で挟んで回す「要返し」などの動作を行ったりするため、扱いやすいよう要の部分に鉛の重りが仕込まれている。また、耐久度を上げるため、親骨と紙は糊で貼られた上に糸で結ばれ、強化されている。扇面は無地のものや、各流派の流紋がデザインされたものがある。
   舞姫図屏風       狩野長信画       上村松園画
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   能ではシテ方、ワキ方、地謡方、囃子方、後見方などすべての人が必ず能扇を携えて舞台に立つ。鎮扇は、地謡、囃子方、後見などが持つ扇で、畳んだときに先がすぼまった閉じる形。一方、中啓扇は主にシテ方が使う扇で、畳んだ状態で先が広
b0089323_18545256.jpgがっている「末広」の形。「翁扇」をはじめ「神扇」「鬘扇」「修羅扇」「鬼扇」など、役柄によって絵柄や色調、骨色などが決まっている。扇は各流儀できまりがあり、細部の形状が異なる。
 能における扇の役割について、金剛流能楽師の種田道一さんはweb《にほんのこころ》で「能の出演者にとっては、武士の刀のようなものです。常に身体につけておくか、身の回りに置きます。演者はb0089323_2142885.jpg様々な意味を扇によって表現します。」と記している。
 福岡のふるさと切手に描かれた「大江幸若舞」は、福岡県みやま市瀬高町大江に伝わる重要無形民俗文化財(1976年)に指定された民俗芸能。能や歌舞伎の原型といわれ、700年の伝統を持ち、毎年1月20日に大江天満神社で奉納される。幸若舞は、中世から近世にかけて、能と並んで武家達に愛好された芸能であり、武士の華やかにしてかつ哀しい物語を主題にしたものが多く、これが共鳴を得たことから隆盛を誇った。
     
参考資料
 Wikipedia 「舞扇」「能扇」「大江幸若舞」、web  「にほんのこころ#9 能の扇」

*1961.4.20 切手趣味週間「舞姫図屏風の一部」
*1962.4.20 切手趣味週間「狩野長信画《花下遊楽図より》」
*1965.4.20 切手趣味週間「上村松園画《序の舞》」
*1983.9.14 国立能楽堂開場記念「国立能楽堂よ能楽師」
*2001.1.19 ふるさと切手福岡 「大江幸若舞」
by god-door70 | 2016-05-27 18:36 | 切手に見る紙のお話(paper) | Comments(0)
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