切手に見る紙のお話(55)紙の歳時記 夏【2】「金魚すくい」

紙の歳時記 夏【2】「金魚すくい」
b0089323_13551211.jpg 上村松園著「青眉抄」を読んでいたら「棲霞軒雑記」の項に金魚の面白い記述があった。『子供の頃金魚が好きでよく金魚鉢から金魚をすくい出してそれに赤い着物(ベベ)をきせたりし、母に見つかり大目玉を頂戴した。・・・・倅の松篁も私に似て金魚が好きであった。』
「金魚すくい」は、紙の網ですくって楽しむ縁日には欠かせない夏の風物詩だ。
遊びは、小さなボール(椀)とポイと呼ばれる網を用いて行う。ポイは円形のプラスチック枠に和紙が貼られたもので、これで水槽内の金魚をすくう。紙製であるために、これを水に浸すとふやけてもろくなり、すぐに破れてしまう。
縁日の金魚すくいの場合には、通常、すくった金魚は持ち帰ることができる。客に渡す際には、巾着状のプラスチック製の袋が使われる。
b0089323_19263084.jpgb0089323_16384376.jpg 代表的競技では、全国有数の金魚の生産地で知られる奈良県大和郡山市で観光事業として1995年から毎年8月に「全国金魚すくい選手権大会」が開かれている。大和郡山の金魚養殖は江戸時代から300年近い歴史を持ち、金魚すくい用の和金では全国のシェア9割を誇るとのこと。ルールは1競技3分b0089323_1658521.jpg
b0089323_16584053.jpg間、ポイの紙が破れたら即終了。優勝水準は3分 間で45~50匹のようだ。
8月第3日曜日は「金魚すくいの日」に定められている。1990年に制定された3月3日の「金魚の日」にはひな祭りに合わせ「金魚供養」が金魚の産地愛知県弥富町や大和郡山市で行b0089323_12205064.jpgわれる。弥富町の和金6匹は、1994年に「アメリカ航空宇宙局 NASA」から打ち上げられた「スペースシャトル コロンビア号」で宇宙飛行士・向井千秋さんと共に宇宙に飛び「無重力空間」における身体変化についての調査・研究の実験に使われた。

参考資料
  上村松園著「青眉抄」
  web 「奈良県大和郡山市」、「宇宙金魚」
  2004.7.6  日経新聞朝刊 幸田繁男「熱闘!金魚すくい選手権」
  2006.1.28 日経新聞朝刊 「和みの伝統すくいたい」

右上*1997.6.2 季節見舞はがき「金魚すくい」
左上*1946~47 第1次新昭和切手 「金魚」*1952~59 第2次動植物国宝図案切手 「金魚」
左下*1966年 新動植物国宝図案切手「金魚」*1967年 新動植物国宝図案切手 「金魚」
右下*1995 USA 「未来のスペースシャトル」
by god-door70 | 2016-06-05 17:12 | 切手に見る紙のお話(paper) | Comments(0)
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