切手に見る紙のお話(2) 紙がない時代の書写材料(1)

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紙がない時代の書写材料(1)
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 紙の発生は古く,約2000年の歴史をもつ。軽くて丈夫な紙が西暦紀元頃に中国で出現する以前に,人類は文字などを何に書き留めていたのだろうか。紙がない時代の書写材料を探ってみる。
[原始的材料―岩石・石板・粘土板]
 人は自然の猛威から身を守るために,そして同時に、動物や他人に侵害されないために集団を作った。集団を維持していくためには情報交換の必要が生じ,言葉や記号,文字が生れた。
 情報伝達の手段として記号や文字を書き留めておく材料として選ぶとすると,野に山に散在する手近で、しかも豊富に存在するものがその対象となる。

b0089323_1549660.jpgエジプトのロゼッタストーン(左・図1)や、b0089323_21523317.jpgスペインのアルタミラ(下・図2)をはじめとする各地の洞窟で発見されている壁画など、岩石や石板や洞窟の壁がしばしば書写材料として選ばれたのは、こうした理由からである事が容易に想像される。

 メソポタミア文明が栄えたチグリス・ユーフラテス両河の下流は毎年洪水が発生し,その流す土砂(細かい粘土)によって二つの河が接近して合流b0089323_17310100.jpgしてしまったほどのすさまじいものであった。この堆積する粘土をシュメール民族は書写材料として利用することを考えついた。文字や絵柄を書くために細かい粘土を選り分けて練り,湿り気が残っている粘土板(右・図3)に楔形を押しつけて文字を記し,それを太陽熱で乾燥して保存した。
しかし,岩石,石板にせよ粘土板に記された文書や記号を運んだり保管することは,重いことや場所をとるために不都合である。そのため書写材料として軽く,保管しやすいパピルスやパーチメント(羊皮紙など)が登場することになる。

(図1)ナポレオンがエジプト遠征の際にフランスに持ち帰った歴史的遺産ロゼッタストーンと解読者シャンポリオンの肖像(エジプト・1972年)
(図2)スペイン・アルタミラ洞窟に描かれた、旧石器時代の壁画(スペイン・1967)
(図3)最古のギリシャ文字が刻まれた粘土板・紀元前14世紀(ギリシャ・2002年) 
by god-door70 | 2006-07-19 15:54 | 切手に見る紙のお話(paper) | Comments(1)
Commented by アルタミラ洞窟壁画 at 2012-07-10 03:51 x
「欧州最古 アルタミラ洞窟壁画 4万年以上前と判明も 須(すめら)も判明」

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「まず尖閣諸島について皆さんに知っておいて頂きたい / 国生み神話で有名な淡路島と天の橋立のラインと文化で守り管轄しているからこそ日本の領土であると言えるのです」
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