切手に見る紙のお話(3) 紙がない時代の書写材料(2)

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紙がない時代の書写材料(2)
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b0089323_2232569.jpg[パピルス]
 紀元前2000年前頃、多年生の草木「パピルス草」(図1)から作られたパピルスが、書写材料として軽くて、保管しやすく、持ち運びも容易ということで古代エジプト人によって用いられることになる。
 パピルスにするには、まずパピルス草の外皮を剥ぎ取り、芯の白いスポンジ状の繊維質を細長い薄片に裂いて、それをすき間なく平行に並べる。次に、その上に同じ方法で直角に薄片を重ねる。そのあと水分を圧縮して、天日乾燥してできあがる。b0089323_2221863.jpg
 パピルス(図2)のサイズは、1枚が約30cm四方。折り曲げに対して弱いので綴じることが難しく、数枚をつないで巻物として使われた。古代エジプト人は、文学・科学・宗教・伝説などをアラビアゴムが加えられたインキで、先を2つに割った葦ペンを用いてパピルスに書き記した。
 しかし、パピルスは冊子本(綴じた本)とするには裏に書きにくいことや破れやすいなどの欠点があったために、羊の皮で作るパーチメントが出現し普及するに従って書写材料としての役割を終えることとなる。原料のパピルス草が、天候によって左右され材料として量的に不安定であったり、枯渇していったことも、パピルスの衰退要因として挙げられる。

(図1)パピルス草は、太さ10cm、高さ4~5mに達する。古代にはナイルのデルタ地域の沼地に繁茂した(エジプト・1966年)
(図2)パピルス製法は秘密とされ、エジプト王プトレマイオス家の専売事業であった。パピルスの原料であるパピルス草が不作の年は役所の仕事が停滞したと伝えられている(エジプト・1976年)
by god-door70 | 2006-07-20 22:04 | 切手に見る紙のお話(paper) | Comments(0)
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