2006.8.15 渋谷ザ・ミュージアムで、エルミタージュ美術館秘蔵のガラス工芸品が展示されていたので、「エミール・ガレとドーム兄弟―フランスからロシア皇帝への贈物」展に出向いた。
これまで、「北澤美術館」(諏訪)や「サンクリノ美術館」(熱海)などで、ガレの作品に沢山出会っているが、今回は門外不出というガレの傑作《花器(トケイソウ)》を観ることができた。この傑作は、フランス大統領がサンクトペテルブルクを訪れた際に、皇族一族に贈物として持参した作品とのこと。台座の赤色は、キリスト処刑の血を表しているとか、「ではなぜトケイソウが」となると、絵画と同じく作品にこめられた製作者の想いを読み取ることは難しい。パンフレット左に花器の一部が刷られている。ガラス工芸品のほかに、寄木細工のテーブル《ロレーヌの植物》や豪華装丁本《黄金の書》など珍しい展示品もあった。
静かな雰囲気の中で鑑賞できたが、ガラス工芸品の常設美術館と違って作品の素晴らしさを引き出すための照明効果への配慮が貧弱で残念だった。