切手に見る紙のお話(10) 紙のつくり方(1)

**************************
 紙のつくり方(1)
**************************
 第1次オイルショックの時に、トイレットパーパーが店頭から消えたことがある。店にご婦人方が行列をつくり、争って買い求めた。今は、スーパーの目玉商品となったり、街角で宣伝用にティッシュが無造作に配られ、それを受け取らない人が多い状況だ。
 情報の電子化でペーパーレスが進んでいるとはいえ、紙は依然として切手は勿論のこと、紙幣、新聞、書籍、筆記用紙、事務機器用紙、写真、ダンボール箱などなど生活に欠かせない物資であるのに、その重要性を認識している人は少ない。
 「紙は文化のバロメーター」と言われているが、どのようにして紙が造られているかを知る人は更に少ないのではないだろう。紙の製造工程を描く切手を見ながら紙のつくり方―伝統的“手抄き”と”機械抄き”―をお話しましょう。

<原料から“紙料”へ>
 紙の原料は、木材か、非木材の植物繊維が使われる。木材の場合は、広葉樹ではカバやブナ、針葉樹ではアカマツ、ツガなどが使われ、非木材ではワラ、バガス、竹、麻などである。
 紙をつくる工程は、植物繊維を水の中でたたいて膨張させ、もみほぐし、しなやかすることから始まる。b0089323_15565369.jpgb0089323_1558067.jpg
 これは中国で後漢(西暦25~220年)の時代に、紙を書写材料に適するように改良した“紙祖:蔡倫(?~121年)”(右:図1、図2)の時代も同じで、ボロ布をうすの中でたたいて繊維をもみほぐしたといわれている。
 次の工程で、現在では紙の用途に応じてさまざまな添加物が加えられる。紙の不透明性、白色度、印刷適性の向上を目的に填料や染料、紙力増強剤等が混合・撹拌されて、“完成紙料”となり、紙を抄く工程に送られる。(下右から:図3、図4、図5)
b0089323_15582837.jpgb0089323_15584918.jpgb0089323_1682590.jpg







 なお、紙づくりは、中国古代4大発明(造紙術、羅針盤、印刷術、火薬)のうちの一つである。
 
 (図1)紙を書写材料に適するように改良した”紙祖” 蔡倫(中国・1962年)
 (図2) ”紙祖” 蔡倫と手抄きの製造工程(香港・2005)
 (図3)手抄きの製造工程「原料を切る」(台湾・1994年)
 (図4)手抄きの製造工程「煮る」(台湾・1994年)
 (図5)原質工程(サルファイドパルプ・ダイジェスター)(スウェーデン・1974年)
by god-door70 | 2006-08-17 16:44 | 切手に見る紙のお話(paper) | Comments(0)
<< 「杉並区立郷土博物館」 アメリカ映画「美しい人」 >>