切手に見る紙のお話(13)折り紙・希代の名作「折り鶴」 (1)

折り紙・希代の名作「折り鶴」 (1)

<折り紙の誕生>
 折り紙の始まりにはいろいろの説があるようで 「折り紙の歴史は紙がつくられるようになるとともに始まった」、「平安時代に手紙や贈り物の包みを美しく折って飾ったのが起こり」 とか、「折り紙の起源は鎌倉時代にさかのぼる」 あるいは、「庶民の遊びとして生まれ伝えられ、歴史的記録もない」 と諸説があり、始まりの時期は判然としない。日本折紙協会の佐野理事長は、「折り紙を研究してみると、いつ、どこでなどは明らかにすることはできず、歴史上でも希代の名作といわれる折り鶴でさえ、その原作を尋ねきれないでいる」(注)と折紙の起源について述べておられるが、その通りではないかと思う。
 とは言え、「紙」 がなければ折り紙の存在はない。しかも紙が貴族や王族とかの一部階層でしか使われないという高価なものとしてではなく、一般大衆の間で気軽に使われるような時代でなければ、紙を素材とする大衆文化としての折り紙は普及しなかったであろう。
b0089323_12312119.jpgb0089323_12322183.jpg 中国で発明された紙を作る技術(左:図1)は、ひとつはシルクロードにそって西方ヨーロッパに、一方の流れは東方に伝播した。百済から日本へ伝来したのは、聖徳太子の頃(574生-622没)で、和紙(右:図2)が誕生した。記録するための貴重な紙としての存在を経て、屏風、障子紙、傘などに利用され庶民の間に広がって行く。紙の大量生産が本格化するのは江戸時代中期に入ってからで、その頃から、折り紙は庶民の遊びの一つとして盛んになり人から人へと伝えられていった。
 折り紙には、正方形のたった一枚の用紙から、切らず、糊付けせず、ただ折るだけで造形を作り出すというルールがある。そのような制約の中で、折り紙は、自由に発想して表現していく「指先の芸術」(下:図3)とも言える。
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 (注)日本製紙連合会発行 「紙パルプ」 1998.9号
 (図1) 紙の作り方風景(中国・1962年)
 (図2) 美濃和紙手漉き風景(美濃局・初日印は昭和47.11.10)
 (図3) 折り紙 :左から Joseph,Angel,Wise Man(クリスマス島・1982年)
by god-door70 | 2006-09-11 12:22 | 切手に見る紙のお話(paper) | Comments(0)
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