切手に見る紙のお話 (18) 紙 衣・紙布 (2)

紙 衣・紙布 (2)
b0089323_11174388.jpg 「紙の博物館」企画展「紙の着物・紙の服」で、いろいろな和紙による衣服を観たので、紙衣(かみこ)・紙布(しふ)について思い出すままにお話してみましょう。
松尾芭蕉の「おくのほそ道」に、旅道中に欠かせない品として「帋子=紙衣=紙で作った衣」を一番目にあげているくだりがある。
 「今年元禄二年とせにとや。」からはじまる「草加」の項に「只身すがらにと出立侍を、帋子一衣は夜の防ぎ、ゆかた・雨具・墨・筆のたぐひ、あるはさりがたき餞などしたるは、さすがに打捨がたくて、路次の煩となれるこそわりなけれ。」とある。b0089323_11191133.jpg
 帋子は紙子とも書く。厚地の和紙をコンニャクの根で作った糊で貼り合わせ、それに柿の渋を何回も塗っては乾かし、充分に揉んで作った衣。雨露をしのぎ寒気を防ぐのに用いた。当時の旅館は、特別に大きな宿屋以外は殆ど寝具の備えがなかったので、芭蕉の旅にとって「帋子」は携帯しなければならない必需品であったのである。
 (図1)奥の細道シリーズ・芭蕉像と句の書第1集の① (1987年)
 (図2)奥の細道シリーズ・小型シート第1集の① (1989年)
by god-door70 | 2006-11-08 11:13 | 切手に見る紙のお話(paper) | Comments(0)
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