2006.11.10 明治神宮宝物展示室で「小堀鞆音と近代日本画の系譜―勤皇の画家と歴史画の継承者たち―」を観る。
小堀鞆音(1864-1931) は、生涯を通じて歴史考証に基づく歴史画の確立を目指した画家で、近代歴史画の父と呼ばれているそうだ。
パンフレットにある武者絵は小堀鞆音が描いた東京芸術大学所蔵の「武士(もののふ)」。武者絵と言うと前田青邨が有名だが、青邨がデフォルメした描き方のものが多いのに対して、鞆音には精密に描くという言葉が似合いそうだ。描かれた武士のギョロリとした目が何となく可愛らしい。
小堀鞆音の系統には、安田靭彦、川﨑小虎などが属しているらしい。歴史、歴史風俗を題材とした歴史画構成であるため当然なのだが、リアルな絵が殆どで疲れた。
ところどころに息を抜けるものもあった。その中の一つに、小堀鞆音、安田靭彦、尾竹国観の三人による合作「猿」があり、猿の顔に三人の顔を描いた軸に画家たちの遊び心を感じとった。