切手に見る紙のお話(21) 蜂の巣と紙

蜂の巣と紙
b0089323_15562051.jpg 蜂の巣と紙にどんな関係があるか想像できるでしょうか。「近代の製紙法は蜂の巣からはじまった。」と言われている。
 アシナガバチ(右)は腐食した枯れた草木や材木の表面をかき落し、唾液といっしょに木をかみ砕き、薄い紙のようなものを作る。蜂の巣は木の枝や軒下に垂れ下がり、砕木パルプから作られた紙に極めて似ている。アシナガバチの英文名は、《paper wasp》。昆虫名に紙(paper)が入っているのは珍しい。
 この蜂の巣に先ず着目したのがフランス人ロームル博士で、1719年フランス、ロイヤル・アカデミーに、その観察記録を提出し、「蜂はボロを使わないで、木材繊維から紙が作れることを教えてくれた。」と報告した。またドイツ人シエッフル博士は1765年に蜂の巣から作った紙を発表した。
 19世紀の後半まで、紙を作るのに麻や木綿のボロを原料として使っていた。木材から紙が作られるようになって百年しか経っていない。木材を製紙原料とすることが出来るようになったことで、製紙工業は飛躍的に発展し、今日に至っている。
 蜂の巣を見て紙の製法を考えついたという発明の発端は不思議なものである。何事にも興味を持つことが、いかに大切かをつくづく感じる。

(図) 「昆虫」5種のうちの①アシナガバチ (ピトケアン諸島、1975年)
by god-door70 | 2006-12-29 16:25 | 切手に見る紙のお話(paper) | Comments(0)
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