切手に見る紙のお話(24) 新宮さま「命名の儀」と「大高檀紙」(3/終)

新宮さま「命名の儀」と「大高檀紙」(3/終)

b0089323_1683340.jpg 手漉きによる紙の製法は、通常①叩解した楮を水に解かし、「黄蜀葵(とろろあおい)」の根を用いてネリを入れ、②1枚づつ丁寧に紙をすく ③すいた紙を、後ろの紙床に重ねる ④すき上げた紙床を圧搾 ⑤圧搾した紙を、一枚づつ板に貼り乾燥 ⑥製品選別、裁断という順序。殆ど古代製法(図7右)と変わらない。
 檀紙の場合は、圧搾した紙に少量水を含ませ、板の上に2.3枚重ねて張り付け、その紙を一枚づつ剥がす時に檀紙独特の「ちりめんしわ」が付く。
b0089323_1694131.jpg 手漉和紙の生産技術は、現代では伝統工芸的な色彩をおび、生産者も極めて少なくなっている。
 越前和紙(図8左)は4-5世紀に、美濃和紙(図9下)は7世紀にはすでに優れた紙としてすかれていたようだ。
b0089323_16101528.jpg 檀紙は、戦国時代には古文書として多く使われ、秀吉は特にこの紙に愛着をもって用いたと言われ、朱印状などが残っている。また、歴代将軍の朱印状・感状などにも「大高檀紙」が使われ、格式の高い紙と認められていたようだ。
 新宮「悠仁」さまの「命名の儀」に用いられた「大高檀紙」は、今後も宮内庁の慶弔用紙として、命名の儀に限らず、納采の儀・歌会始の儀などに使用続けられることだろう。囲碁、華道、茶道など伝統諸芸等の免状用紙など格式を重んじる諸行事にとっても貴重な紙として存在感を維持していくことだろう。

(図7) 古代の紙製造模様(中国・1962年)
(図8) 岐阜県美濃局・「美濃和紙」(初日印1972.11.10)
       《美濃和紙と紙漉き風景を描く》
(図9) 福井県今立局・「越前和紙」(初日印1981.10.23)
       《越前和紙手漉きの姿と重文・紙祖神の大滝神社を描く》
by god-door70 | 2007-02-02 16:17 | 切手に見る紙のお話(paper) | Comments(3)
Commented by 大滝國義 at 2007-03-23 14:44 x
始めてお便りします。私は岐阜県美濃市に住んでおり、和紙の仕事をしています。仕事は和紙を商っています。趣味として、和紙や和紙関連の書籍等資料を収集しております。ネットを見ていましたら、貴方のブログに紙漉きにちなむ切手の紹介があり、興味を持ちました。書籍として、中国や韓国、台湾の紙のものは少々持っていますが、それ以外のものは集めていません。本題とそれて申し訳ありませんが、それらの切手収集の方法をご存知であれば、お教え願えませんでしょうか。どうぞ、宜しくお願い致します。
Commented by godーdoor70 at 2007-03-26 17:00 x
大滝国義さまへ。特別な方法を持ち合わせていませんが、基本的には和紙に限定せずに、紙関連の切手を「SCOTT CATALOGUE」(全世界発行の切手カタログ)で各国リストをひとつひとつ探す方法です。新しく発行される切手は日本郵趣協会発行の月刊誌「郵趣」のリストからです。和紙手漉き風景関連では「風景印カタログ」から探して入手しています。後者のリストは整理してありますのでe-mailで提供できます。前者の方は、範囲が広すぎてご希望分野が分かればと思います。
小生執筆の紙に関連の記事が、日本郵趣協会発行の月刊誌「郵趣」1994年8月号、1995年9月号に掲載されています。ご興味があればご覧下さい。お役にたったでしょうか?
Commented by 大滝國義 at 2007-03-28 07:08 x
親切な対応有難うございました。早速、調べてみます。
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